Ti metti? o ti fermi?
本当は、このブログは映画のことだけを書こうと思っていたのですが、
「どこかに書いて残しておきたいな」という言葉があったので、ここに残すことにしました。これからも、ちょっとした日記みたいのも書いていきたいと思います。
先日、息子のサッカーのトーナメント戦のために、
泊まりがけでフィレンツェの近くのアレッツォの小さな町に行ってきました。
現地に着くと子供たちは預けっぱなしになるので、
試合以外は親たちだけの自由行動でした。
うちのチームの親たちは、イタリア人同士でも辟易するほどとても個性が際立って強く(良く言えば・・(^^;)、
どうにも私は打ち解けることができません。。。
・・・というか、一緒にいるだけで気分が悪くなります。
そんな中でも少数派の人達とは共感でき、
このやり場のない感情を分かち合えるので、
私はその少数派の親たちと一緒に行動していました。
今回のタイトル「Ti metti? o ti fermi?(直訳的には「やる?それともやめる?」)」は、
夜ご飯を食べに行った時、
今も現役のプロサッカー選手をしているお父さんが言っていた言葉で、
反抗期が始まった息子を持つ親としてはかなり響いたので、
そのお父さんいわく、
自分より上手い選手は星の数ほどいた。
自分はテクニックや小ワザがほかの選手よりも劣っていた分、
それを補うためにたくさん走ったり練習をした結果、今に至る。
逆に言えば、テクニックがあった選手でもプロにさえならなかった人の方が多いくらい。
土曜日の夜に友達と遊びに行ったがために、
次の日試合に出てもヘロヘロで使い物にならなくて消えていった選手、
ボールを追っかけるより、女の子を追っかけるようになっちゃった選手とか、
思春期の頃はいろんな誘惑があって、
絶対プロになると有望視されていた選手すらもこの誘惑に負けていったのを目の当たりにしている。
だからサッカー界でよく使われてる言葉で、
「Ti metti? o ti fermi?」っていうのはよくその分岐点で監督や友人同士、
自分自身にも問う時によく使われる表現なんだよね。
(自分自身に問う場合は、「mi metto?o mi fermo?」になりますけど)
結局は、自分との戦い。どのくらい頑張れるか。どれだけ本気度が高いか。
それ次第だよね。
このお父さんは、どちらかというと人柄的には温和で人あたりは良いのですが、
ベラベラとサッカーうんちくやら自慢話をしたりせず、
性格的には実直で寡黙な印象で普段あまり喋らないタイプの人なのですが、
この日はたまたま、カルチェットか何かの元プロ選手で昨年息子のいるチームの監督をしていたお父さんもいたので、
サッカー談義に花が咲いてこの話に至ったのです。
(一度試合を見に行った後、「すごいね!めっちゃすごかった!!」と、彼に対しての賛辞を言ったつもりだったのですが、「うん。ありがとう!昨日はみんな調子よくて、いい感じでまとまった試合ができたよ。この調子でスクデット取ってみんなでお祝いしたいね。」とチーム全体への賛辞と受け取ったときに彼の人柄を見た気がしました)
だからこの言葉が重く感じたのだと思います。
日本人的には当たり前のことというか、
普段から聞きなれてることかもしれませんが、
イタリアで精神論的なことを聞く機会があまりないので(^^;
新鮮に受け止められたのかなとも思います。
帰ってから息子に話したところ、珍しく難しい顔でとても感慨深げに聞いていました。
もっと書きたいことがあったのですが、
なんだか思い出せないので今日はこのへんで。
思い出したら書き足しておきます(笑)
ミニミニイタリア語文法:
metti:動詞 Mettere(置く)の二人称。モノを置くなどの時も使うけれど、
再帰代名詞(mi,ti,si,ci,vi,si)と一緒に使うと、
再帰動詞になり主語(再帰代名詞先)に動詞の意味が戻る感じというのでしょうか。
例えば、mettere + mi(自分):mettermi = mi metto は、
(自分自身をそこに)身を置く という意味になります。
私は普段からインチキイタリア語を使っているので、正確な文法は他のサイトや本を参考にしてただいたほうがいいかもしれません(^^;
泊まったホテルのプール
帰りの車窓からトスカーナの風景